【笑いの人が涙を誘う】映画『マジェスティック』で見せたジム・キャリーの本気

映画館「MAJESTIC」の前に立つ男性の後ろ姿。静かな夜のノスタルジックな風景。AI生成によるオリジナルイメージ画像。

涙レベル ★★★☆☆ (3/5)
“静かに沁みるタイプ”の感動がじわりと広がる一本。
ジム・キャリーが笑いを封印し、不器用に、まっすぐに見せる人間味が胸を温めます。
観終わったあと、そっと深呼吸したくなるような「余韻系の涙」です。

コメディ俳優として知られるジム・キャリーが、笑いを封印して挑んだヒューマンドラマ『マジェスティック』。
静かな港町で“自分を見失った男が、もう一度立ち上がろうとする瞬間”が、ゆっくりと心に沁みていきます。
失われた記憶を埋めるように、人の優しさや町のぬくもりが積み重なっていく過程は、観る側の胸にもそっと温度を残していくはずです。

ジム・キャリーと言えば、『マスク』『ライアー ライアー』に代表される破天荒な表情芸やテンションの高さが印象的で、“笑いの象徴”のような存在。
しかし本作では、そのイメージを完全に裏切り、誰よりも誠実で、不器用で、目をそらさない人間味を見せてくれます。
記憶を失った男として迷い、揺れ、立ち止まりながらも前に進もうとする姿は、彼のキャリアの中でも特に静かで力強い演技。
笑いの人ではなく “役者・ジム・キャリー” の本気が宿る作品と言っても過言ではありません。

コメディの殻を破って挑んだこの一本は、観る人の胸にそっと灯をともすような余韻を残します。
ジム・キャリーの新たな一面を知りたい人にも、静かな感動を求めている人にも、優しく寄り添ってくれる映画です。

目次

作品情報

  • タイトル:マジェスティック(原題:The Majestic
  • 公開年:2001年
  • ジャンル:ヒューマンドラマ/ロマンス/社会派
  • 監督:フランク・ダラボン(『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』など)
  • 主演:ジム・キャリー(ピーター・アップルトン役)
  • 制作国:アメリカ
  • 上映時間:152分

あらすじ(ネタバレなし)

戦後間もないアメリカ。
ハリウッドで脚本家として働くピーターは、ある日突然の事故で記憶を失ってしまいます。
何も思い出せないまま流れ着いたのは、海沿いの小さな港町ロウソン。

そこで彼は、町の人々から亡くなった“ある青年”と姿がそっくりだと告げられます。
その青年は戦争で行方不明となり、町にとっては“帰りを待ち続けた大切な存在”。

名前も過去もわからないピーターは、戸惑いながらも町の優しさに触れ、やがて人々の心の穴を少しずつ埋めていくような存在となっていきます。

静かな海と温かなまなざしに包まれながら、彼は“自分が何者なのか”、そして“これからどう生きたいのか”を問い直していくことに。

記憶を失った男と、失われた誰かを待ち続けた町。
ふたつの孤独がそっと寄り添うことで生まれる、やさしい再生の物語です。

感情スコア(当サイトオリジナル)

★=弱め / ★★★=ちょうど良い / ★★★★★=強め(当サイト基準)

感情スコア
涙レベル★★★☆☆(3/5)
静かに沁みる“穏やかな涙”がじんわり広がるタイプ。心の奥にそっと触れてくる優しい涙です。
ほっこりレベル★★★★☆(4/5)
町の温かさや人々のつながりが、観る人の心をやわらかくほぐしてくれます。ふっと微笑みたくなる場面が自然に訪れます。
癒やしレベル★★★★☆(4/5)
静かな時間と落ち着いた語り口が、日々の疲れをゆっくりとほどいてくれます。しずかに心が整っていく感覚が心地よい一本です。
余韻レベル★★★★★(5/5)
観終わったあとにもやさしく残り続ける“あたたかい余韻”が魅力。物語の温度が長く心に寄り添い、ふとした瞬間に思い返したくなります。

派手さや笑いを封印したジム・キャリーが見せる“静かな感動”。
深くてやわらかな余韻が、観る人の心に長く灯り続ける一本です。

笑いを封印して挑んだ、ジム・キャリーの“本気”

ジム・キャリーと聞いてまず思い浮かぶのは、破天荒な表情芸やテンションの高いコメディ演技。
けれど『マジェスティック』で彼が見せるのは、そうした“笑いの殻”をそっと脱ぎ捨てた、まっすぐで誠実な姿です。

ピーターという男は、記憶を失うという大きな喪失を抱えながら、知らない町で、知らない人々に囲まれ、ひとつずつ自分を取り戻していきます。
その“迷い”や“戸惑い”を、キャリーは大げさな演技ではなく、目の揺れや息づかい、ほんの小さな表情の変化で丁寧に表現しているのです。

特に印象的なのは、町の温かさに触れる中で徐々に心がほどけていく瞬間。
感情を言葉ではなく“静かな表情”で語るキャリーの演技は、これまでの彼のイメージを大きく塗り替えるほど繊細で、深い説得力があります。

コメディアンとしての勢いを完全に封印し、“役者としてのジム・キャリー”が真っ向から勝負している。
その姿が、この作品の静かな感動を支える大きな力となっています。

彼の本気に触れられる、まさにキャリアの中でも特別な一本です。

監督はあの名作を手がけたフランク・ダラボン

『マジェスティック』の監督は、『ショーシャンクの空に』『グリーンマイル』などで知られるフランク・ダラボン。
人間の内面を丁寧に描き、静かな余韻を残す作品づくりに定評のある監督です。

ダラボンが得意とするのは、派手な演出ではなく、“人が人を想う気持ち”をすくい上げるような繊細なドラマ。
本作でもその手腕がしっかりと発揮されており、静かな港町の空気感や、人々のあたたかな眼差しを通して、主人公ピーターの変化をじっくりと描いています。

有名俳優の存在感に頼るのではなく、物語そのものの温度を大切に積み上げていくダラボンの演出は、『マジェスティック』に“深い余韻”を与えている大きな要素のひとつ。

彼が紡ぐヒューマンドラマが好きな人には、間違いなく心に響く一本です。

観終わったあとにそっと残る“静かな余韻”

『マジェスティック』は、静かな物語の中にじんわりとした温かさが広がるタイプの作品。
エンドロールに向かうにつれて胸の奥がじんわりと温かくなり、観終わったあとも静かに残り続ける“やさしい余韻”があります。

ピーターが何かを選び、何かを取り戻そうとする小さな瞬間の積み重ねが、観る側にも“自分にとって大切なもの”をそっと見つめ直させてくれます。
ふとした時間に自然と思い出して胸が温かくなる。そんな感情が静かに広がっていきます。

物語のラストにも、強い主張や劇的な演出はありません。
けれど、静かでまっすぐな想いが作品全体を包み込み、日常に戻ってからもやさしく響き続けます。

忘れられそうで忘れられない“やわらかな気持ち”。
そんな小さな灯のようなものが、この作品にはたしかに息づいています。

映画『マジェスティック』を視聴するには?

視聴手段配信・販売状況
Prime Video(Amazon)〇 レンタルまたは購入
Netflix× 配信なし
U-NEXT〇 見放題配信中
Hulu× 配信なし
TSUTAYA DISCAS〇 DVDレンタル対応
DVD(販売)〇 新品・中古ともに取り扱いあり
Blu-ray(販売)〇 新品・中古ともに取り扱いあり

※ Prime Video は Amazon の動画配信サービスです(旧称:Amazonプライム・ビデオ/通称:アマプラ)

上記の配信・販売状況は【2025年11月時点】の情報です。
🔎 配信状況を調べる際の目安としてご覧いただき、ご視聴・ご購入の際は各サービスの最新情報をご確認ください。

まとめ

『マジェスティック』は、派手な展開で感動を押しつけるタイプの作品ではありません。
けれど、静かな港町で自分を取り戻していくピーターの姿は、観る人の心にじんわりと寄り添ってきます。

笑いの人として知られるジム・キャリーが“まっすぐな演技”で魅せるヒューマンドラマは、彼のキャリアの中でも特に穏やかで、深い余韻を残す一本。
人のやさしさや、生き方を問い直す小さな瞬間にそっと光を当てるような、あたたかい映画です。

観終わったあと、ふとした時間に思い出して胸が温かくなる。
そんな静かな感動を求めている人に、ぜひ手に取っていただきたい作品です。

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