夜のプールに潜むのは、静寂か、それとも“何か”。
『ナイトスイム』は、ブラムハウスが贈る“水の中の恐怖”を描いた体感ホラー。
😱 恐怖レベル ★★★☆☆ (3/5)
💬 「来る」とわかっていても怖い——予想を裏切らない“静かな恐怖”がじわじわ迫る。
夜のプールは、静かすぎる。
水面に反射するライト、ゆらめく波紋、そして底に沈む暗闇——。
『ナイトスイム』は、そんな“何も起きなさそうな静けさ”から恐怖が立ち上がる体感ホラー。
舞台は、ごく普通の住宅街の裏庭にあるプール。
ただし、そこに潜むのは「怪物」でも「幽霊」でもなく、もっと原始的で説明しがたい“何か”——。

水の無音って、こんなに怖かったっけ…?

照明がゆらゆら揺れるだけで背筋ゾワゾワ😨

ブラムハウスが“静けさ”を使ったら、やっぱりハズレなし。
🎬 『ナイトスイム』作品情報
- 原題:Night Swim
- 公開年:2024年
- 監督:ブライス・マクガイア(短編『Night Swim』(2014)の監督を務めたのち本作で長編デビュー)
- 製作:ブラムハウス・プロダクションズ/アトミック・モンスター
- 主演:ワイアット・ラッセル(レイ役)、ケリー・コンドン(イヴリン役)、アメリー・ハーファーレ(娘イジー役)、ギャビン・ウォレン(息子エリオット役)
- 上映時間:98分
- 制作国:アメリカ
本作は、2014年の同名短編をもとに長編化した“プール×ホラー”。
元メジャーリーガーのレイが家族と引っ越したプール付き住宅を舞台に、家族は夜ごと水面に現れる“何か”に翻弄されていく。
監督はブライス・マクガイア(長編デビュー)。
製作は『ゲット・アウト』『パラノーマル・アクティビティ』『インシディアス』のブラムハウスと、ジェームズ・ワン率いるアトミック・モンスターのタッグ。
静けさと水音で恐怖を構築する一本。
💧 あらすじ(ネタバレなし)
1992年の夏。
静かな夜、プールに浮かび上がったボートのおもちゃがゆっくりと動き出す。
姉レベッカはその音に気づき、プールへ向かい拾おうとするが——次の瞬間、
何かに水中へと引きずり込まれてしまう。
残されたのは、白いウサギのスリッパだけだった。

ボートに手が“届きそうで届かない”——ホラーの定番だけど、効くね。

ボートの音だけが響いて不気味だったわ
時は流れ、現在。
ケガで療養中の元野球選手レイは、妻イブリンと家族で古いプール付きの家を購入する。
プールを修理して使い始めた彼らは、やがて“黒い水”と不気味な現象に巻き込まれていく。
夜のプールサイドに現れる“誰か”
排水口から聞こえる少女の声——「助けて…ママを探しているの」。その名はレベッカ。

あ〜、その排水溝に手を入れたらダメって! 観てるこっちが叫びたくなる!

“水の向こうに誰かがいる感覚”、背筋がゾクッとしたよ。
次第に家族の中に奇妙な変化が起こり、プールにまつわる古い“言い伝え”が浮かび上がる。
――水は目覚めると命を奪い、代わりに力を与える。
願いを叶えるために、誰かが犠牲となる。

黒い水、願いの代償…怖いのに切ないの。

“静かな恐怖”の中に、ちゃんと“家族のドラマ”があるんだよね。
💫 感情スコア(まにまにシネマ基準)
★=弱め / ★★★=ちょうど良い / ★★★★★=強め
感情 | スコア |
---|---|
😱 恐怖レベル | ★★★☆☆(3/5) 恐さは“並”。でも静けさが効いてる。 |
🎉 ビックリレベル | ★★★☆☆(3/5) 水面ブレイク系のショック演出あり。 |
😨 じわじわレベル | ★★★★☆(4/5) 無音の時間が長いほど不安が積もる構成。 |
🩸 グロレベル | ★★☆☆☆(2/5) 直接描写は控えめ。心理的緊張が中心。 |
💧 水辺トラウマ度 | ★★★★☆(4/5) 排水溝を覗くのが怖くなる。 |
“静かな水ほど怖い”。夜のプールが、恐怖と家族の影を映し出す。
🌘 『ナイトスイム』の見どころ
🎧 音が歪む、“水中ホラー”
BGMもセリフも最小限に抑えられ、聞こえるのは「水の反響音」と「呼吸の音」だけ。
水中では音がこもり、時間の流れまで歪んで感じられる。
この“感覚のズレ”こそが、静かな恐怖の源です。
普通なら安心できるはずの“無音”が、ここでは恐怖のトリガー。
何も起きない時間ほど、観客の心拍数が上がっていくように作られています。

あの“水面越しの人影”シーン、ゾワッとした。静かなのに怖すぎる…

“静けさで怖がらせる”って、ホラーの上級テクニックだよね。
💧 見えない“何か”が潜んでいる
ライトに照らされた青白い水面、ゆらめく影。
次の瞬間には何もいない——。
そんな「視覚の不確かさ」が観客の想像を刺激します。
見えない“何か”が近くにいる——。
その感覚が、派手な演出よりもずっと怖い。

プールって、閉ざされた空間だから逃げ場がないのよね…。

この“視えそうで視えない”演出、ゾクッとした…!
🌙 願いと代償の神話
物語の終盤、プールの源にある“願いを叶える泉”=テマガミ(Temagami)の伝承が明かされます。
深い水は癒しや力を与える一方、必ず代償(犠牲)を求める——という掟。
つまり、このプールは“願いをかなえる代償”として命を求める場所。
レイの奇跡的な回復も、愛ゆえの犠牲も、すべて“水”によって結びついているのです。
黒い水、黒い涙、そして沈む祈り。
『ナイトスイム』は、ホラーでありながら“愛と犠牲”の物語でもあります。

テマガミの神話って、ホラーと神話の中間みたいな世界観だね。

ただ怖いだけじゃなくて、“愛の裏にある代償”まで描くのが深い。
🧠感想と考察
『ナイトスイム』は、予想を裏切らないホラーです。
「あ、来るな」と思った瞬間に本当に来る。
でも、それがわかっていても怖い。
届きそうで届かないところに浮かぶおもちゃを取ろうとする子ども、排水溝に手を伸ばすあのシーン、覗き込むと“何か見えちゃうんじゃないか”という不安。
誰もが一度は感じたことのある“日常の恐怖”を、そのまま映像化している。
恐さの度合いは“並”かもしれないけれど、演出のうまさと音の使い方が抜群。
水の静けさと家族の沈黙がリンクする構成も巧みで、観終わったあとにしばらく排水口を見られなくなりますよ。

プール掃除、もうできないかも…😂

“予想通りなのに怖い”って、逆にすごいことだと思う。
👀 こんな人におすすめ
- ホラー初心者でも楽しめる“静かな恐怖”が好きな人
- 『クワイエット・プレイス』『ドント・ブリーズ』の緊張感が好きな人
- 家族のドラマとサスペンスが融合した作品を求めている人
- “派手ではないけど、後から思い出してゾクッとする”タイプの映画が好きな人
📺 配信情報と視聴方法(配信・DVD情報)
視聴手段 | 配信・販売状況 |
---|---|
Prime Video(Amazon) | ○ 見放題配信中 |
Netflix | × 配信なし |
U-NEXT | ○ レンタル配信中 |
Hulu | × 配信なし |
TSUTAYA DISCAS | ○ DVD/Blu-ray レンタル対応 |
DVD(販売) | ○ 新品・中古ともに取り扱いあり |
Blu-ray(販売) | ○ 新品・中古ともに取り扱いあり |
※ Prime Video は Amazon の動画配信サービスです(旧称:Amazonプライム・ビデオ/通称:アマプラ)
上記の配信・販売状況は【2025年10月時点】の情報です。
🔍 配信状況を調べる際の目安としてご覧いただき、ご視聴・ご購入の際は各サービスの最新情報をご確認ください。
🪞 まとめ
『ナイトスイム』は、ブラムハウスが得意とする“日常×恐怖”の掛け合わせを、静かな水の世界に落とし込んだサイレントホラー。
静かな水面、見えない底、そして息をひそめる家族。
大きな展開や派手な演出はないけれど、その“控えめな恐怖”こそがリアル。
『クワイエット・プレイス』や『ドント・ブリーズ』が“極限の緊張”で観客を追い詰めるタイプだとしたら、本作は“静けさの中に潜む不安”をじわじわ感じさせるタイプ。
ホラー初心者にもおすすめできる、ほどよい“ゾクッと感”。

恐怖レベルは並。でも“沈黙の恐さ”は印象に残った。

あの青いプールライト、しばらく夢に出そう💦

静寂が鳴るホラー。これぞブラムハウス。
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