恐怖が静寂から立ち上がるスリラー
😱 恐怖レベル ★★★★☆ (4/5)
💬 「音を立てたら終わり」というシンプルなルールが、観客の呼吸まで奪っていく。
静寂の中で足音が響き、息をすることさえ許されない──。
映画『ドント・ブリーズ』は、盲目の退役軍人が暮らす家に忍び込んだ若者たちが、想像を絶するサバイバルに巻き込まれていくサスペンス・スリラーです。
暗闇に潜む気配、耳を澄ませば迫る足音。
“音を立てたら終わり”というシンプルなルールが、観る者の心拍数を一気に上げていきます。
緊張が張りつめた90分弱──まさに「呼吸することすら恐怖」になる映画体験です。

ホラーよりスリラー色が強いのが良いわね。音を武器にした演出が斬新!

息止めながら観ちゃった…ほんとタイトル通りだよ💦
作品情報
- 原題:Don’t Breathe
- 公開年:2016年
- 監督:フェデ・アルバレス
- 出演:ジェーン・レヴィ、スティーヴン・ラング、ディラン・ミネット、ダニエル・ゼヴァット ほか
- 上映時間:88分
- 制作国:アメリカ
- ジャンル:サスペンス・スリラー
盲目の退役軍人と、家に忍び込んだ若者たち。
シンプルな舞台設定ながら、緊張感を極限まで高める構成が高く評価され、全米で大ヒットを記録しました。

90分以内って集中しやすい長さ!

監督は『死霊のはらわた』リメイクも手掛けた人よね。ホラー演出に納得!
キャスト
- ロッキー(ジェーン・レヴィ)
妹と新しい人生を望む少女。幼少期から母親の虐待を受けてきた過去を持つ。
※代表作:『死霊のはらわた』 - アレックス(ディラン・ミネット)
父親のセキュリティ会社の知識を利用して犯行に加担する青年。
※代表作:『13の理由』 - マニー(ダニエル・ゾヴァット)
仲間のひとりで短絡的な性格。計画を強引に進めようとする。
※代表作:『ヴァチカンのエクソシスト』 - 盲目の退役軍人(スティーヴン・ラング)
元陸軍兵。暗闇でも驚異的な身体能力を発揮する恐怖の家主。
※代表作:『アバター』シリーズ

ジェーン・レヴィはホラー女優のイメージが強いね

スティーヴン・ラング、やっぱり『アバター』の印象が強いわ
あらすじ(ネタバレなし)
デトロイトの荒廃した街。
新しい人生を夢見る若者たちは、ある一軒家に目をつけます。
そこに住むのは、盲目の退役軍人。巨額の現金を隠しているという噂があったのです。
「目が見えない老人なら、楽な仕事だろう」──そう思って忍び込んだ瞬間、事態は一変。
彼の研ぎ澄まされた聴覚・嗅覚・圧倒的な身体能力が、侵入者たちを次々と追い詰めていきます。
暗闇の中で、足音一つが命取り。
“音を立てたら終わり”という究極のサバイバルが、静かな住宅街で幕を開けます。

最初は軽犯罪っぽい雰囲気なのに、すぐ地獄のかくれんぼに変わるんだ

家主が出てきた瞬間、こっちまで呼吸止まっちゃったよ…

盲目っていう設定が、逆に恐怖を増幅させてるのよね
見どころ解説
1. 息をのむ“無音の鬼ごっこ”
『ドント・ブリーズ』最大の魅力は、盲目の家主と若者たちの息詰まる攻防戦です。
足音一つ、床のきしみ一つが命取りになる状況で繰り広げられる“無音の鬼ごっこ”は、観客自身も呼吸をひそめてしまうほど。
ときには画面に映る登場人物よりも、観ているこちらが先に音を立ててしまうのではないかという錯覚すら覚えます。
「無音」であることがこれほど恐怖を増幅させるのか、と改めて気づかされる体験です。
2. ロッキーの切実な動機
主人公のロッキーは、ただの“スリルを求める若者”ではありません。
アルコールや暴力にまみれた母親の元から、大切な妹を連れ出し、新しい人生を始めるためにお金を必要としていたのです。
その切実さを知ると、危険を承知で犯行に加わる彼女の姿にも複雑な感情を抱かずにはいられません。
その思いを象徴するのが腕のてんとう虫のタトゥー。
幼い頃、母から車のトランクに閉じ込められた恐怖の中でてんとう虫がそばにいてくれた経験から、彼女にとってこの小さな存在は心を落ち着かせる大切なアイテムになっています。
「カリフォルニアに行ったら色を入れて、それを最後のタトゥーにする」と語る姿は、妹と共に自由を手に入れる未来への強い願いを示しているのです。
3. ただのサバイバルでは終わらない
序盤は“鬼ごっこ型スリラー”として観客を引き込みますが、物語はそれだけで終わりません。
盲目の家主が抱える過去や、彼の行動の裏に潜む理由が明らかになるにつれ、単なる「侵入者 vs 家主」の構図を超えたダークな物語が立ち上がってきます。
観客は「逃げ切れるのか」という緊張感に加え、「この男は何者なのか」という新たな興味に突き動かされるのです。
表面的なスリルにとどまらず、倫理観や人間性にまで踏み込んでくる展開が、本作をただのサバイバル映画以上の存在にしています。
何が隠されているのか、ぜひ映画をご覧になって確かめてください。
感情スコア(当サイトオリジナル)
★=弱め / ★★★=ちょうど良い / ★★★★★=強め(当サイト基準)
感情 | スコア |
---|---|
😱 恐怖レベル | ★★★★☆(4/5) 静寂の中で迫りくる気配に心拍数が急上昇 |
🎉 ビックリレベル (ジャンプスケアの強さ) | ★★★☆☆(3/5) 不意を突くシーンが散りばめられている |
😨 じわじわレベル (心理的に迫ってくる恐怖) | ★★★★☆(4/5) 逃げ場のない空間で緊張が持続する |
🩸 グロレベル (血や残酷表現) | ★★★☆☆(3/5) 血は出るが、過度な描写は少なめ |
🌑 余韻レベル | ★★★★☆(4/5) 観終わったあとも不穏さが残り、心に影を落とす |
👉 “静寂”を武器にしたスリラーの極致。観客まで呼吸を奪われる一本です。

“音を立てるな”ってシンプルな縛りがこんなに効くとは!

不意打ちで一番驚いたのは、犬が出てくる場面かな。いい仕事してたね。
感想・レビュー
『ドント・ブリーズ』の評価は、派手なホラー演出よりも“静寂”を恐怖に変える演出にあります。
ホラー映画によくある派手なジャンプスケアに頼らず、呼吸音や床のきしみといった細かな音が、緊張を極限まで高めていきます。
そのため観客も自然と息をひそめ、登場人物と一緒に逃げているような感覚に陥ります。
また、主人公ロッキーの「妹を連れて自由になりたい」という切実な想いが物語に厚みを加えています。
単なるサバイバルスリラーで終わらず、人間ドラマの要素があることで、観終わったあとにただの恐怖体験以上の余韻を残します。
88分という短めの尺も◎。
余計な要素を削ぎ落とし、“緊張感を保ったまま最後まで走り抜ける”スピード感は、近年のスリラー映画の中でもトップクラスの完成度といえるでしょう。

サングラスかけた黒いスーツの人たちから追いかけられる、某テレビ番組を思い出しちゃったよ。

ただのスリラーじゃなく、主人公の想いがあるから胸に残るのよね
配信情報と視聴方法(配信・DVD情報)
視聴手段 | 配信・販売状況 |
---|---|
Amazonプライム・ビデオ | ◎ 見放題配信中 |
Netflix | ◎ 見放題配信中 |
U-NEXT | ◎ 見放題配信中 |
Hulu | ◎ 見放題配信中 |
TSUTAYA DISCAS | ◎ DVD/Blu-rayレンタルあり |
DVD(販売) | ◎ 新品・中古ともに取り扱いあり |
Blu-ray(販売) | ◎ 新品・中古ともに取り扱いあり |
上記の配信・販売状況は【2025年9月時点】の情報です。
🔍 配信状況を調べる際の目安としてご覧いただき、ご視聴・ご購入の際は各サービスの最新情報をご確認ください。

静寂が武器だから、イヤホンやヘッドホン視聴がおすすめ!
まとめ
『Don’t Breathe』は直訳すると「息をするな」。映画の内容を象徴するフレーズで、シンプルながら最大の恐怖を端的に表現しています。
派手な特殊効果や大量の血しぶきに頼らず、“静寂”を最大の恐怖に変えたスリラー映画です。
音を立てたら命が危ないというシンプルなルールが、観客をもスクリーンの中に閉じ込めてしまう緊張感を生み出します。
主人公の切実な想いがドラマ性を加え、ただのサバイバル劇にとどまらない余韻を残してくれる点も魅力。
88分というコンパクトな尺に、濃厚な恐怖と人間ドラマが凝縮されています。
ラストには「老人が生きていた」という報道が流れ、観客にさらなる不安を残します。
実際、本作はその余韻を受けて2021年に『ドント・ブリーズ2』が公開されました。
“まだ終わっていない”感覚ごと観客に突きつけるラストは、シリーズとしての強い引力を感じさせます。
ホラーが苦手でも挑戦しやすく、スリラー好きにはぜひ観てほしい一本。
“呼吸することすら恐怖になる”極限の映画体験を、ぜひあなた自身の目と耳で確かめてください。

怖さだけじゃなく、物語の奥にある切なさも印象に残ったよ

あの報道シーン、続編あるなって思ったらやっぱり2021年に出たのよね
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