映画『マレフィセント2』レビュー|映像美・壮大な戦闘・受け継がれる言葉

映画『マレフィセント2』レビュー用アイキャッチ画像。幻想的な妖精の国と暗雲に包まれた人間の国が川を隔てて描かれている。AI生成のオリジナル画像

映像美とスケール感が圧巻! 悪役から守護者へと進化するマレフィセントの物語。

🔥スカッとしたいときに観たい映画
― アクション・エンタメ映画 ―

🛸 スカッとレベル ★★★★☆ (4/5)
💬
戦闘シーンの迫力でスカッと! 
  エンタメ性が強く、最後まで一気に楽しめる。

悪役から始まった物語は、さらに壮大な世界へ――。
映画『マレフィセント2』(原題:Maleficent: Mistress of Evil)は、2019年に公開されたシリーズ第2作です。

前作では「誤解されたヴィラン」として描かれたマレフィセントと、オーロラ姫の母娘のような絆が観客を魅了しました。今作ではその関係が大きな試練に直面し、物語は人間界と“ダーク・フェイ”と呼ばれる妖精族との対立へと拡大していきます。

特に印象的なのは、闇の妖精たちが暮らす洞窟の幻想的なビジュアル。青や緑に輝く光景は、まるで映画『アバター』を思わせるほど美しく、映像スケールは前作をはるかに上回っています。

さらに心に残るのが、あの名セリフ「Well, well」。1作目ではマレフィセント自身の決め台詞でしたが、2作目ではオーロラが口にする場面があり、彼女の成長と二人の絆を象徴する名シーンとなりました。

『マレフィセント2』は、悪役の物語でありながら母性や愛、そして赦しを描き出す壮大なダークファンタジー。前作を観た方なら必ず押さえておきたい、スケールアップした続編です。

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🎬 『マレフィセント2』作品情報

  • 原題:Maleficent: Mistress of Evil
  • 公開年:2019年
  • 監督:ヨアヒム・ローニング(『パイレーツ・オブ・カリビアン/最後の海賊』を手がけた北欧出身の監督)
  • 主演:アンジェリーナ・ジョリー(マレフィセント役)、エル・ファニング(オーロラ姫役)、ミシェル・ファイファー(イングリス王妃役)
  • 上映時間:119分
  • 制作国:アメリカ

本作は、前作から数年後を舞台にした続編です。オーロラの結婚をめぐる物語をきっかけに、人間界と妖精界の緊張が高まり、マレフィセントは再び大きな選択を迫られることになります。

新キャストとして、ミシェル・ファイファーが人間側の強敵イングリス王妃を演じ、物語に重厚さを加えました。さらに日本人ミュージシャンの MIYAVI が“ダーク・フェイ”の戦士 ウド役 で出演し、国際的にも話題となりました。

📖 あらすじ(ネタバレなし)

オーロラ姫とマレフィセントの母娘のような関係は、長い年月を経てさらに深まっていました。
そんな中、オーロラはフィリップ王子からの求婚を受け、人間界と妖精界を結ぶ婚姻が進められていきます。

しかしその裏で、人間側の王国では妖精たちを脅かす陰謀が進行していました。
さらに、マレフィセントは自分と同じ種族“ダーク・フェイ”の存在を知り、孤独ではなかったことに気づきます。

愛する娘を守るのか、種族を導くのか――。
母と娘の絆はかつてないほどに試され、世界を揺るがす戦いへと物語は広がっていきます。

✨ 『マレフィセント2』の見どころ

✨ 見どころ① 洞窟の幻想的な映像美

ダーク・フェイが暮らす洞窟のシーンは、本作で最も印象的なビジュアルのひとつです。青や緑に輝く空間は神秘的で、まるで『アバター』の世界を思わせるような幻想的な美しさを放っています。
羽ばたく闇の妖精たちと光のコントラストは圧巻で、映像のスケールは前作をはるかに超えていました。

カンヌちゃん

異世界に迷い込んだみたいな光景だったわ。

オスカくん

『アバター』を連想したのは僕だけじゃないと思う。

⚔️ 見どころ② 壮大な戦闘シーンと犠牲

クライマックスでは、人間と妖精の全面戦争が描かれます。大迫力のアクションに加え、兵器として使われた“赤い粉”が妖精たちを木に変えてしまうシーンは恐ろしくも衝撃的でした。
その中で特に心に残るのが、青い妖精フリットルの自己犠牲。仲間を救うために命を投げ出し、やがて青い花を咲かせる木へと変わる姿は、命の循環を示す象徴的な瞬間でした。戦闘のスケール感だけでなく、静かな感動を残す場面でもあります。

さらに、オーロラを守るためにマレフィセントが身を挺する場面も見逃せません。
イングリス王妃の企みによりオーロラが危機に陥った瞬間、彼女は迷わず盾となり命を差し出します。
一度は命を落としたかに見えますが、オーロラの深い悲しみの涙が奇跡を呼び起こし、マレフィセントはより強大で神秘的な存在へと生まれ変わるのです。

この場面は「母の愛」「犠牲」「再生」というテーマが凝縮された本作屈指の名シーン。
悪役から始まった彼女の物語が、守護者へと昇華する瞬間として心に残ります。

オスカくん

フリットルに続いて、マレフィセントまでも…って思ったら、まさかの復活で涙と鳥肌!

カンヌちゃん

犠牲と再生の流れが美しかったわ。単なるバトルじゃなくテーマ性が深いのよね。

💬 見どころ③ 受け継がれた「Well, well」

前作でマレフィセントの代名詞となったセリフ「Well, well」が、今作では意外な形で再登場します。終盤でオーロラ自身がこの言葉を口にするのです。
母から娘へと受け継がれた一言は、オーロラの成長を示すと同時に、マレフィセントとの絆を象徴する瞬間でもありました。シリーズを通して観てきた人なら、きっと胸が熱くなる名シーンです。

ノア

オーロラが言う『Well, well』は、成長の証そのものだね。

オスカくん

1作目を観てると、さらに感動できるよ!

🎙️ 吹替と字幕の違い

『マレフィセント』シリーズで象徴的に使われるセリフが「Well, well」。
登場人物や場面によって響きが変わり、さらに日本語字幕・吹替でニュアンスの違いが出るのが面白いポイントです。

  • 1作目(マレフィセント)
    マレフィセントがオーロラに呪いをかけるため城に現れたシーンで発言。
    • 英語音声:Well, well
    • 日本語字幕:おやおや
    • 日本語吹替:あ〜ら、まあ
  • 2作目(マレフィセント2:本作)
    終盤、オーロラがマレフィセントと再会したときに発言。
    • 英語音声:Well, well
    • 日本語字幕:おやおや
    • 日本語吹替:おやおや

前作では吹替と字幕でニュアンスが異なり、吹替ではやや皮肉っぽさが強調されていました。
一方、今作では字幕と吹替が一致して「おやおや」となり、落ち着いた雰囲気に。
そのため、オーロラがこの言葉を口にする場面でも観客に親しみを持たせやすくなっています。

特に印象的なのは、オーロラの言い方です。
マレフィセントと無事に再会し、本当はすぐにでも抱きつきたかったはずの彼女。
しかし少し照れ隠しのように「Well, well」といたずらっぽく言葉をかけます。
マレフィセントもそれに応じるように「Hello, Beasty」と返し、ふたりは抱き合います――まるで親子以上の深い絆を感じさせる場面でした。

ノア

“Well, well”がオーロラに引き継がれるのは胸熱ポイント!

カンヌちゃん

字幕と吹替の違いを比べると、キャラクター解釈の幅が広がるのよね。

オスカくん

同じ言葉でもニュアンスが違うと、印象が変わって面白い!


🎙️ 字幕派?吹替派? 迷ったらこちらの記事もチェック

🤔 考察:人間の欲望とディズニーらしい結末

『マレフィセント2』は、単なる勧善懲悪ではなく「本当の悪とは何か?」を観客に問いかけてきます。
人間界のイングリス王妃は、権力と支配欲のために妖精たちを排除しようとし、戦争を仕掛けます。その姿は、魔法や呪い以上に恐ろしい“人間の欲望”そのもの。前作で「誤解された悪役」として描かれたマレフィセントよりも、むしろ人間の方が悪役らしく見える瞬間すらあります。

一方で、マレフィセントは種族を守ろうとしながらも、オーロラとの絆を最後まで大切にします。善と悪に割り切れない複雑さを抱えた存在だからこそ、彼女は観客に強く愛されるのでしょう。

そして注目したいのが、ディズニーらしい結末です。
戦いの果てに待つのは、残酷な処刑や破壊ではなく、“意外な姿”に変えられるという処遇。命を奪わないどころか、どこかユーモラスさすら含まれており、観客の心に複雑な余韻を残します。
復讐の快感ではなく、赦しと和解へと物語を着地させる――ここにディズニー作品ならではの哲学が息づいています。

ノア

やっぱりディズニーは“殺さない選択”をするんだよね。そこに哲学を感じたよ。

オスカくん

僕は思わず笑っちゃったけど…逆に印象に残るラストだった!

カンヌちゃん

ただ排除するんじゃなくて、物語に合ったユーモラスな罰を与えていたわ。

🧚 キャラクター紹介

🌸 青い妖精フリットル

前作から登場する青い妖精フリットルは、見た目は少しドジで頼りない存在。ところが今作では、物語のクライマックスで誰よりも勇敢な行動を見せます。
人間の兵器として放たれる“赤い粉”を阻止するため、巨大なパイプに自ら突進し、妖精たちを守るために命を投げ出すのです。やがて彼女の姿は青い花を咲かせる木となり、命の循環と犠牲の尊さを象徴する存在として観客の記憶に残りました。

ノア

前作ではおとぼけ役だったのに、2作目では涙なしでは見られないほどの活躍だったね。

カンヌちゃん

フリットルの自己犠牲は、この映画のテーマを一番ストレートに表していたと思うわ。

🐦 ディアヴァル

マレフィセントの忠実な従者であるカラスのディアヴァルも、今作で引き続き登場します。
1作目では、彼女に命を救われて以来「翼」として仕えることになった彼。今作でも人間や動物に姿を変えながら、戦いの場面でマレフィセントをサポートします。

特に人間との戦闘シーンでは、変幻自在の力を活かして彼女の戦いを助ける姿が印象的です。コミカルな相棒でありつつ、孤独に陥りがちなマレフィセントの心を支える存在としても健在でした。

オスカくん

ディアヴァルって頼りになるし、ちょっとおとぼけで憎めないんだよね!クマに変身したのに…くちばし残ってたの笑った!

ノア

マレフィセントが孤独にならずに済んだのは、彼の存在も大きかったと思う。

🦅 ダーク・フェイの戦士ウド(MIYAVI)

今作で大きな話題となったのが、日本人ミュージシャン MIYAVI の出演です。彼が演じるウドは、マレフィセントと同じ種族“ダーク・フェイ”の戦士。人間に傷つけられ孤立してきたマレフィセントにとって、同胞の存在は大きな支えとなりました。

MIYAVI自身もインタビューで「マレフィセントが一人じゃなかったと知ることが、彼女の戦う理由を深めていく」と語っています。演技経験が少ない中での大役でしたが、持ち前の存在感がキャラクターに説得力を与えていました。

ノア

彼がいたことで、物語に国際的な広がりも感じられたね。

👑 フィリップ王子(キャスト変更)

前作でオーロラに思いを寄せていたフィリップ王子は、続編『マレフィセント2』でも重要な役割を担います。
ただし演じる俳優は前作から変更されました。

  • 『マレフィセント』(2014):ブレントン・スウェイツ
  • 『マレフィセント2』(2019):ハリス・ディキンソン

交代の理由は、前作俳優ブレントン・スウェイツのスケジュール都合とされています。
シリーズものでは珍しいキャスト変更ですが、ディキンソンは落ち着いた雰囲気で新たなフィリップ像を作り上げています。

📺 配信情報と視聴方法(配信・DVD情報)

視聴手段配信・販売状況
Amazonプライム・ビデオ○ レンタル/購入配信中
Netflix× 配信なし
U-NEXT× 配信なし
Hulu○ レンタル配信中
Disney+○ 見放題配信中
TSUTAYA DISCAS○ DVD/Blu-ray レンタル対応
DVD(販売)○ 新品・中古ともに取り扱いあり
Blu-ray(販売)○ 新品・中古ともに取り扱いあり

上記の配信・販売状況は【2025年9月時点】の情報です。
🔍 配信状況を調べる際の目安としてご覧いただき、ご視聴・ご購入の際は各サービスの最新情報をご確認ください。

🧚 感情スコア

★=弱め / ★★★=ちょうど良い / ★★★★★=強め(当サイト基準)

感情スコア
🛸 スカッとレベル★★★★☆(4/5)
人間と妖精の大規模な戦いは迫力満点!エンタメ性の高い展開。
💖 感動レベル★★★☆☆(3/5)
フリットルの自己犠牲や母娘の絆に胸が熱くなる。
💞 絆レベル★★★★☆(4/5)
マレフィセントとオーロラの関係性がより深まり感動的。
🏰 スケール感★★★★☆(4/5)
ダーク・フェイの洞窟や戦闘シーンのスケールが大きい。
✨ ファンタジーレベル★★★★★(5/5)
光り輝く洞窟やダーク・フェイの造形など、別世界に迷い込んだような没入感。

「悪役の物語」でありながらスカッと感と感動を兼ね備えたエンタメ作品。壮大なファンタジーを楽しみたい人、家族の絆に弱い人の両方におすすめです。

📝 まとめ

映画『マレフィセント2』は、前作で提示された「誤解された悪役」の物語をさらにスケールアップさせ、人間界と妖精界の対立という壮大なテーマへと広げました。

幻想的な洞窟の映像美や、壮大な戦闘シーンの迫力はもちろん、フリットルの自己犠牲や「Well, well」に象徴されるオーロラの成長など、数々の印象的な瞬間が観客の心を揺さぶります。

一方で、本作はただの派手な続編にとどまりません。人間の欲望や権力争いの恐ろしさを描きつつも、最後には命を奪わないディズニーらしい結末を選び、赦しと再生の物語へと着地させています。

母と娘のような絆を守り抜いたマレフィセントの姿は、悪役を超えて「守護者」としての存在感を放ちました。
前作を観た人なら必ず押さえておきたい、そして新しい世代にも語り継がれるべきダークファンタジーです。


👑 まだ観てない人はこちらも!『マレフィセント』(1作目)レビュー

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